名称 | 科目等 | 特徴 |
クミン
| 【別名】うまぜり 【科目】セリ科 【利用部位】種子
| 独特な強い香りと、ピリッとした辛味、わずかな苦味があります。いわゆるカレーの香りは、クミンの香りが中心となり、カレーを代表するスパイスの一つです。ホールは、油で炒めて香りを出して使います。カレーのほか、ピクルスやチーズ、パンなどにも使われます。カレー粉や、カレーの味わいを深めるガラムマサラとチャツネには欠かせないスパイスです。また、クミンは下痢や腹痛に効き、消化の促進や解毒の作用があるといわれます。 |
コリアンダー
| 【別名】香菜 こずいし パクチー コエンドロ 【科目】セリ科 【利用部位】種子
| 直径4ミリほどの球形の種子は、レモンとセージを合わせたようなさわやかな香りがし、甘味とかすかな苦味を持ち合わせています。生の葉はエスニック料理に良く使われ、強烈な香りがします。種子はカレーや、肉や卵、豆料理、お菓子、パンなど、実に様々に使われ、世界中で利用されています。中世ヨーロッパでは肉の腐敗を防ぐために、コリアンダーとクミン、ジンジャーを混ぜて肉にふりかけていました。 |
カルダモン
| 【別名】しょうずく 【科目】ショウガ科 【利用部位】果実
| 緑色をした、長さが1センチ程度の卵形の実の中には、黒く丸い種が7~8個入っています。パウダーは、この種をひいたものです。スーッとする香りと、ややほろ苦く清涼感ある味わいがあります。しょうがの仲間で香りも似ており、料理やお菓子に利用されています。原産国でもあるインドでは、中の種を出してスパイスティーに使われます。アラブ地方ではコーヒーに、北欧ではワインに入れて飲まれています。香りがやや強めなので、隠し味的に少量使うと風味が生きます。体を冷やし、消化を助ける作用があるので、インドやサウジアラビアなどの熱い国の人々には欠かせない重宝なスパイスとされています。 |
クローブ
| 【別名】ちょうじ ちょうこう ひゃくりこう 【科目】フトモモ科 【利用部位】つぼみ
| 花のつぼみが開花する直前、淡いピンク色になったところを摘み取ったスパイスです。長さ1.5センチの釘形をしていて、刺激的な中にもバニラにも似た甘い香りがします。その強い香りは、百里離れたところにも届くというところから、「百里香(ひゃくりこう)」という別名があります。野菜の煮込み料理には、ホールを材料に刺して使ったり、肉の臭みを抑えたりするのに良く使われます。香りが強いので、ごく少量使います。 |
シナモン
| 【別名】にっけい ニッキ セイロンにっけい 【科目】クスノキ科 【利用部位】樹皮
| 樹齢3~5年の若木の枝から樹皮を剥ぎ取って束にし、24時間おいて発酵させ、外側の層をていねいに削ったものを乾燥させます。かすかな辛味と甘味があり、爽快感のある甘い香りに人気があります。甘味をよく引き立てるので、カレーにもよく使われます。ホールを油で炒め、香りが出たところでほかの材料を加えます。そのほか、ホールは果物のコンポートやピクルスに、パウダーは焼き菓子、ジャムやアイスクリームなどにも使われます。シナモンにグラニュー糖を混ぜたシナモンシュガーもあります。 |
ローリエ
| 【別名】ローレル ベイリーフ げっけいじゅ 【科目】クスノキ科 【利用部位】葉
| 常緑樹である月桂樹の葉で、1年を通して新鮮な葉を手に入れることができ、これらを摘み取って乾燥させて使います。甘い香りをもち、かすかな苦味があります。肉や魚貝、野菜などの煮込み料理には欠かせません。また、ピクルスやマリネ、乳製品や卵のお菓子などに使うこともあります。ホールを使う時には、折って加えると甘い香りが立ちやすくなります。 |
ナツメグ・メース
| 【別名】にくずく 【科目】ニクズク科 【利用部位】果実
| にくずくの木はあんずに似た果実をつけます。果実が熟すと二つに割れて中から網目状の皮がのぞき、中の黒い殻を包んでいます。網目状の皮がメース、殻の中の仁がナツメグです。刺激のある甘い香りとおだやかな苦味はどちらにもきょうつうしますが、メースのほうが香り、味ともに少なく、繊細な香りです。メースは細かく刻むなどして使います。ハンバーグやソーセージなどのひき肉料理、卵や乳製品の料理やお菓子など、幅広く利用されています。 |
オールスパイス
| 【別名】 ひゃくみこしょう さんこうし 【科目】フトモモ科 【利用部位】果実
| ペパー、クローブ、ナツメグ、シナモンを合わせたような香りがあるところから、オールスパイスの名がつきました。果実は房のように鈴なりに実をつけ、未熟な青い果実を摘んで乾燥させます。辛味はなく、甘い香りとほろ苦い味わいが感じられます。甘い風味を生かして、料理やお菓子に幅広くつかわれます。ホールは砕かずに、肉や魚貝の煮込み料理、ピクルスにそのまま使ったり、パウダーはハンバーグやクッキー、ジャムなどに利用したりします。殺菌、抗菌の作用があることから、体内での抗酸化作用も高く、また消化を促す薬効があるといわれます。 |
フェンネル
| 【別名】ういきょう 【科目】セリ科 【利用部位】種子
| 快い甘い香りと、独特なピリッとする風味が特徴です。フェンネルにはさまざまな種類があり、品種によっては葉や茎など、すべてが食用になるものもあります。種子はピクルスやマリネに加えられるほか、クッキーやケーキなどにも利用されます。株の部分はサラダや野菜の煮込みなどに、葉は肉や魚貝の臭みを取る効果があるので、煮込みや焼き物にも好適です。原産は地中海沿岸ですが、ヨーロッパ各地へ広まり、インド、中国と、世界中で利用されています。 |
フェネグリーク
| 【別名】 【科目】マメ科 【利用部位】種子
| 西アジア原産のマメ科の植物の種子です。サヤが熟したらサヤごと収穫し、乾燥させた後種子を取り出しさらに乾燥させます。カレーパウダーの材料には欠かせないスパイスです。セロリのような強い香りがあり、軽く煎ってから使用すると味がマイルドになります。カレー料理の仕上げの香りづけなどにも使用されます。タンパク質やビタミンが豊富に含まれています。 |
キャラウェイ
| 【別名】 ひめういきょう 【科目】セリ科 【利用部位】種子
| 三日月形をした種子はクミンとよく似ていますが、香りと味は全く違い、さわやかな甘味と快いほろ苦さがあります。ドイツのザワークラウトには欠かせないスパイスで、パンやクッキー、ケーキにもよく使われます。また、肉の臭みを消す効果があることから、マトンやレバー、豚肉にも利用されます。消化促進、食欲増進に効果的です。胃腸薬やかぜ薬にも用いられています。生の若葉はハーブとしてサラダやスープに入れると、風味よく、おいしくいただけます。 |
ローズマリー
| 【別名】 まんねんろう 【科目】シソ科 【利用部位】葉
| 快い清涼感を伴う樟脳に似た強い香りと、かすかな苦味があります。肉の臭みを消す効果があるので、マトンやラム、豚肉などのローストや煮込み料理に良く使われます。そのほか、魚貝のグリルやマリネ、ジャガイモのバター炒め、クッキーなどの焼き菓子、またパンにもりようされます。特に原産地である、地中海沿岸地方でよく使われます。ヨーロッパでは、料理のほかに入浴剤や化粧水、養毛効果があるといわれるため、ヘアリンスにもローズマリーのエッセンスが使われています。香りが強いので量は控えめにし、ほかのスパイスとブレンドして使うとよいでしょう。ローズマリーには、精神を安定させ、消化機能を高め、脳や心臓の働きの強化に効果的です。老化防止にも役立つといわれます。 |
セージ
| 【別名】サルビア 【科目】シソ科 【利用部位】種子
| 葉は表面に細かい毛が密集しており、ベルベットのような感触が特徴です。よもぎに似た香りとわずかな苦味、渋みがあります。肉の脂肪を分解して臭みを消す効果があるため、ソーセージやハンバーグなどのひき肉料理、またレバーやマトンのような臭みの強い肉の料理のほか、野菜の煮込みや豆のスープにも使われています。消化促進、強壮、解熱、殺菌作用のほか、精神的な緊張を静めるといわれます。セージの名が、ラテン語の「サルベレ(治療する、救い出す、健康)」に由来することから、フランスには「いつまでも生きていたい人は5月にセージを食べること」という諺があります。 |
タイム
| 【別名】 たちじゃこうそう 【科目】シソ科 【利用部位】葉
| すがすがしい芳香と、辛味と渋みが混ざったような微妙な味わいがあります。肉や魚貝の臭み消しに効果があり、さまざまな料理に幅広く使えます。ビネガーに漬け込んで香りを移したものは、グリルした魚貝やマリネ、ドレッシングに重宝します。香りが強いので、調節しながら少量使うとよいでしょう。胃腸機能の働きを高め、風邪や神経性の病気、疲労回復に効果があるといわれます。 |
スターアニス
| 【別名】八角 ダイウイキョウ 【科目】モクレン科 【利用部位】果実
| モクレン科の常緑樹の実を乾燥させたもので、独特の甘い香りとわずかな苦味のある味が特徴です。もっとも東洋的なスパイスのひとつで、中華料理には古くから用いられ、欠かすことのできないスパイスです。豚肉やレバー、モツなどの下味付けや、カレー、豚の角煮などに使用されます。また、中国のミックススパイス五香粉(ウーシャンフェン)の材料にも用いられます。 |
アジョワン
| 【別名】 ロバージュ アジュワイン カロム 【科目】セリ科 【利用部位】種子
| タイムのようなすがすがしい香りがありますが、直接口に入れると舌を刺激するような強い苦味があるので、使用する場合には控えめに使いたいものです。インドで古くから料理用、薬用に使われており、インドの家庭には必ずあるといわれるほど、ポピュラーなスパイスです。インドではカレーや魚料理、豆料理などに広く利用されています。また、パンやペストリー、ピクルスなどにも使用されています。防腐や殺菌効果に優れているので、消化不良や二日酔いなどの薬として使用されています。 |
レモングラス
| 【別名】 タクライ 【科目】イネ科 【利用部位】茎、葉
| その名の通り、レモンによく似たさわやかな香りがあります。イネ科の植物で、ススキのような細長い茎の葉や根もとの部分が使われます。生の葉やその乾燥させたもの、粉末などが市販されています。東南アジアではもっとも一般的なハーブの一つで、タイやインドネシア、マレーシアなどの料理には欠かせないものです。特にタイ料理のトム・ヤム・クンには欠かせないもので、カレーの材料としてもよく使われます。肉や魚料理の風味付けとしても、よく使われます。根もとの部分は煮ても繊維がかたく残るので、あくまでも風味付けに。葉の部分は、料理のほかにもハーブティーにも利用されています。 |
ジンジャー
| 【別名】 しょうが はじかみ 【科目】ショウガ科 【利用部位】根茎
| 清涼感のある甘味をもった香りと独特な辛味で、日本でも古くから親しまれているスパイスです。生の根を刻んだり、すりおろしたりして使うのはよく知られていますが、根茎を乾燥させて粉末にしたものもべんりです。肉や魚の臭み消しにもなり、甘味のある特有の風味でお菓子にも使われます。食欲を増進させ、胃腸の働きと血行をよくするといわれます。 |
ガーリック
| 【別名】 ガーリック おおびる 【科目】ユリ科 【利用部位】根茎
| 紀元前から食用、薬用などに広く利用されてきたスパイスです。にんにくにまつわるエピソードは世界中に残されており、厄除け、魔よけなどとしては洋の東西を問わず、言い伝えが残っています。品種によってもそれぞれ異なりますが、特有の強力な香りがあり、炒めるとさらに香りが増します。生はもちろん、粉末や乾燥させたチップ、おろしたものなどいろいろなものが市販されています。どんな素材ともよく合い、肉や魚などの臭みを消す効果が高く、その香りで食欲が増進されることから、さまざまな料理に幅広く使われています。塩、こしょうに次ぐ、第3の調味料ともいわれています。ただし、生食の取りすぎは胃をこわすので要注意であります。 |
ミント
| 【別名】はっか 【科目】シソ科 【利用部位】葉
| ドライ用には、開花直前の最も香りの強いときに枝葉を刈り取ります。大変種類が多いのですが、最も一般的に利用されるのは、スペアミントとペパーミントです。スペアミントはペパーミントと比べて香りに甘さが感じられ、ペパーミントとともに清涼感や舌を刺すような刺激的な風味があります。ゼリーやアイスクリーム、ミントティーなどに利用されるほか、タイやベトナムでは生春巻きや揚げ物、炒め物、麺類などに使います。消化を助け、風邪の予防、口臭予防に効果的です。 |
ポピー
| 【別名】けし 【科目】セリ科 【利用部位】種子
| 直径1ミリ程度の球形で、日本では白色がおなじみですが、ヨーロッパ産の青灰色のポピーもあります。油分を多く含み、加熱するとくるみにも似た香ばしい香りが立ちます。パンや焼き菓子のほか、サラダや揚げ物の衣など、料理にも使われます。特に、七味唐辛子の材料としてよく知られています。食用のポピーはオピウム・ポピーという品種ですが、アヘンがとれることから一般の栽培は禁止されています。市販の種子にアヘンは含まれませんが、発芽しないよう熱処理があります。 |
名称 | 科目等 | 特徴 |
チリパウダー
|
| メキシコで辛いという意味のチリです。唐辛子やオレガノ、クミン、ガーリックなど、数種類のスパイスをブレンドしたもので、ピリッとした辛さと、風味のよさが特徴です。アメリカ西南部やメキシコなどの家庭料理には、チリパウダーがよく使われます。 |
レッドペッパー
| 【別名】 赤唐辛子 南蛮
| 中南米原産でコロンブスがスペインに伝え、世界に広まったといわれています。日本には16世紀に持ち込まれました。一口にとうがらしと言っても3000近くの種類があり、辛味のないあまいものもあります。スパイスとしてのとうがらしは、刺激のある辛さが特徴で、完熟した赤い果実を乾燥させたものをおもに使います。辛さによって食用増進、発汗作用があり、清涼感が得られます。 |
カイエンペッパー
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| 中南米原産で、コロンブスの発見したレッドペパーがヨーロッパに伝わり、品種改良されたカプシカムペッパーの変種にあたります。粉末にしたものを料理に利用します。風味はあまりありませんが、辛味と着色作用があるのでカレーパウダーなどにも利用されます。 |
ブラックペパー
| 【別名】黒こしょう 【科目】コショウ科
| 世界中で広く使われているスパイス。収穫の時期や製法の違いによって黒こしょう、白こしょう、緑こしょう、赤こしょうの4種類があり、どれも同じ実から作られますが、辛味や風味は異なります。どれもさわやかで辛さのある刺激と、木のような豊かな香りがあります。黒こしょうは未成熟な果実を乾燥させたもので香り、風味とも他より強いです。どんな素材、料理にも合う万能スパイスといってよいでしょう。下味つけや料理中、仕上げに使います。 |
ホワイトペパー
| 【別名】白こしょう 【科目】コショウ科 | 世界中で広く使われているスパイス。収穫の時期や製法の違いによって黒こしょう、白こしょう、緑こしょう、赤こしょうの4種類があり、どれも同じ実から作られますが、辛味や風味は異なります。どれもさわやかで辛さのある刺激と、木のような豊かな香りがあります。白こしょうは他よりも辛味がソフトで、下味付け、料理中、仕上げに使用できます。辛味を強調したい時は、ミルでひくとよいでしょう。 |
マスタード
| 【別名】 和からし 黒からし 白からし 【科目】アブラナ科 【利用部位】種子
| マスタードは大きく分けてブラウンマスタード、ホワイトマスタード、和からしの3種類があり、それぞれ原産地や品種が異なります。各地で古くから薬用、食用として使われてきました。ツーンとくる強い刺激が特徴で、ホワイトマスタードは、やや辛味がマイルドです。ほかのスパイスと違って、どれも乾燥した状態の時は辛味がなく、水や湯で溶いて初めて特有の辛味が生まれます。揚げ物や煮物、あえものなどに添えて、刺激を楽しむスパイスとして広く使われています。 |
ガラムマサラ
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| ガラムは「辛い」、マサラは「混ぜる」の意味です。インド料理では一般的なスパイスです。シナモンやカルダモン、クローブ、クミン、コリアンダー、ローリエ、ナツメグ、ガーリック、ホワイトペパー、ブラックペパー、レッドペパーなどから3~10種類ほどを選んで作ります。インドでは、石臼でホールスパイスをすりつぶしながら混ぜ合わせて作ります。カレーの仕上げに、サブジやサラダの調味料に、肉や魚の下味つけにと、応用範囲の広い混合スパイスです。 |